2021.10.23

杉板本実型枠コンクリート打ち放しーその2

 

こんにちは。

オリジナルの「杉板本実型枠コンクリート打ち放し」は、このホームページ開設からさほど日を経ていない2016年の記事です。

5年も経ってるのだから、「その2」なんてことせずに、違うタイトルにすればいいのに…と突っこまれそう。

自分でもそう思ったのですが、「その2」にしたかったんです。

なんの理由もなく、無定義に、そして遮二無二そうしたかったのです(無定義も遮二無二も使い方まちがってるよね…)。

「なんでそんな服着てるのよ」と訊かれて「着たかったの」と返すときに似た感覚ですね(なんか自分でもよく判らないな…)。

 

さて、そのころ請け負っていた学校施設の現場で「杉板本実型枠コンクリート」を打設し、綺麗にこしらえることができました。

具体的にどのような工法なのか、など当時の記事から抜粋しておきましょう。

コンクリート打設工のみなさんはぜひ復習しておいてください。今度のテストに出しますからね。

 

「ベニヤ板で型枠をこしらえてコンクリートを打ち込むのではなく、杉板の型枠を使う工法だそうです。

杉板の木目が綺麗に浮き出ているとコンクリート打ち放しの壁とは思えないような風情ですが、美しく木目を出すのは非常に難しいとのこと。今回は、我が金子建設工業の職人さんが素晴らしい仕事をして綺麗に仕上がりました。」

(当ホームページ2016年3月23日付 新着情報 より)

 

 

「素晴らしい仕事」

「綺麗に仕上がった」

これは自己満足でもなんでもなく、実際にお客さんからをいただいた評価です。

うそじゃないですよ。

その年10月の安全教育に大成建設山口工事長をお招きしたときに激賞いただき、東京支店長がじきじきに褒めてくださって、各部署に回覧されているとの話しをしてくださいましたから。

実に誇らしいですね。

うそじゃないですよ。ホントですよ。

言うことの半分がうそで半分が冗談、ホントがひとつもないと定評のあるわたくしが申しあげるのですから間違いありません。

断じてうそじゃございません。

 

さて、それから4年の月日が流れ去り、時は2020年3月24日のことです。

午前中に事務所の電話が鳴りました。

ご連絡くださったのは大成建設のグループ会社で重職についていらっしゃる方でした。

用件は、杉板本実型枠コンクリート打ち放しの建物をこしらえるにあたり、金子建設工業の仕事が評判になったとの情報を得られて、是非施工にあたってほしいとの依頼でした。

関連会社に出向される前、大成建設の作業所長だったみぎりに大変お世話になった方です。

しかし、手前どもと仕事をしてから月日が経っているため誰に連絡を取ってよいか判らず、まずは本社に問い合わせたとのこと。

まずは以前のご厚誼にお礼申し上げ、副社長(来月で78歳になります)がまだ現役だと申し上げると、「まだやってんの?」と大爆笑のうえ大喜びなさるので、副社長より連絡していただきました。

まずは副社長が電話で打合せをし、報告を受けた社長も、職人の技術が評価されての施工依頼ですから、大いに喜びさっそく受注を指示されました。

一週間後の4月の朔に副社長が挨拶にうかがってとんとん拍子に話が進み、9月には着工となりました。

始まったときには社長は亡くなっていたことを思うとちょっと感傷的になりますね。

 

施工は順調にすすみ、半年後の今年3月には竣工とあいなりました。

特にクレームをいただいたわけではなく、無事に完成までのお手伝いができました。

ほかの現場と同じように、金子さんありがとうね、とお声がけいただき、ほかの現場と同じように、竣工すれば現場は解散です。

それきりなんら連絡もなく、次の現場のおはなしも無かったので、可もなく不可もなくといった評価だったのかなと思いきや…

 

先日、副社長のもとへ連絡がありました。

内外の評価が非常に高い建物となったのでお礼にうかがいたいと…

 

10月20日に大成ロテックさんの顧問や役員の方々がお見えになり、改めて高い評価とお礼のことばをたまわりました。

今回も職人さんの技術が評価されたのですから、新社長も副社長も鼻が高いでしょう。

さぞかし嬉しいでしょう。

いいことだ。

請われて施工した仕事です。期待に応えられたと満足してよいのでしょう。

重ね重ね いいことだ。

 

職長の下川博之さん、山本浩昭さんはじめ従事された職人さんたちには心より労い申しあげます。

みなさんがたの高い技術に改めて感心いたしました。競馬のことばかり考えているわけではないのですね。

これからはもっと敬い申しあげなくてはいけませんね。

この素晴らしい技術が次世代に引き継がれ、ずっと残っていきますように。

 

 

 

  

施工中の写真です。杉板の型枠を用いて、美しい木目が表面に出るコンクリートを打設します。

 

 

   

できあがった建物の表面。うん、カッコいいです。

 

 

   

明かりが灯るとひときわ映えますね。

 

 

内部は通常のコンクリート打ち放し。きれいに仕上がっています。