2016.12.19
年の瀬
いよいよ年の瀬です。いよいよ大詰めです。
全国津々浦々あらゆる業種の皆さまがとにかく気忙しく駆けずり回っていることと存じます。
さて、この時季われわれのような稼業が段取りせねばならないことのひとつに正月飾りがあります。建設業は安全第一、同業で神棚がない業者さんはほぼないと言って良いでしょう。手前どもも当然に神棚を設えてある事務所やらが複数ございます。自社施設の飾付けだけでそこそこのボリュームとなり、お世話になっている元方さんの現場事務所の正月飾りも依頼を受けて行なうので、ここだけの話し結構な手間もお金もかかるのよ。3尺の注連縄が何本いるんだとか、5寸の鏡餅がいくつだとか、そのうちのいくつかは内飾りまでやるんだわさ、など現場により諸条件あるなかで過不足なく品揃えするわけですが、職人さんの会社ですから一筋縄でいかず、いろいろと笑えることが起きます。まさに年末の風物詩ですね。というわけで、今年も楽しい楽しい正月飾付け業務が始まります。まずは、例年のとおり〆飾り卸業者さんへ買い出しに出かけました。
毎年、浅草の観音様の裏手に期間限定で小屋(ガサ小屋と呼んでいます)が出ており、問い合わせたところ22日までとのことでした。正月飾付けはクリスマスが終わったら行うので、例年いま少し押し詰まった日に足を運ぶのですが、23日の旗日にはもう小屋は出ていないわけで急遽18日に行ってきました。この新着情報を書いている事務屋さんは毎年副社長のお供兼お勘定精算係としてガサ仕入れに参加しておりますが、まだ観音様で羽子板市が行われているのは初めてです。面白そうだったので一寸サボって境内を散策させていただきました。日曜日の朝8時前にもかかわらず流石に浅草寺、凄い人出です。老若男女そして洋の東西問わず諸人こぞりて、常香炉で煙を浴びる御仁あり、羽子板の美しさに目を奪われている淑女あり…。熱気で寒さも吹き飛びます。でも、残念なことに五重塔が改修工事中なんですね。白いシートにすっぽりと覆われて…。5月に行ったときはそんなことになっていなかったのですが、そのあとに着工したんでしょうね。
例年お世話になっているお店は、われわれと同じく西新井のお大師様のおひざ元で商売を営んでいる〆飾卸業者さんです。やっぱり地元の業者さんをお引き立てしないとね。今年も注連縄、輪飾り、門松、根松とヤブ、ホンダワラ、ウラジロ、ユズリハのほか、水引、御幣などの紙製品を仕入れてきました。ゴザのうえに注文したものが並べられチェックしていくのですが、なにかしら「やっちゃ場」のような風情があって楽しいのです。浅草での買い出しが済んだあとは、千住掃部宿の竹屋さんに寄って竹材を仕入れてきました。毎年副社長が尺物の門松を拵えてくださるのです。
実際の飾付けはクリスマス後なので、本格的なガサ仕分けは23日の旗日あたりに行うことになります。なので、この日は運び入れただけで解散となったわけですが、職人さんの宿舎2階のガサ仕分け部屋に飾付け用品が納入されると年の瀬感、大詰め感がふつふつと沸いてきますね。
気合入ってきたわ。アドレナリン出てきたわ。このまま一気に仕事納めまで全力疾走です。
心臓だいじょうぶかな…
浅草の観音様裏手、はとバスなどの駐車場となっている場所にガサ小屋が出ます
鮮やかに「西新井」の文字が!毎年お世話になっております
眺めているだけで楽しい…すっかりお正月気分です
大本堂の向こう側、右手では五重塔改修工事中
ガサ買い出しと羽子板市が同時期なのは初めてのことでした
千住仲町(昔の掃部宿)の竹屋さんにて。オヤジさんが青竹を切ってくださいました
宿舎に運び込まれたガサ一式。鏡餅の注文もしなきゃ!